春の読書という事でちょっと前に文庫を沢山買いましたが、その中でも期待していた『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読みました。かなり楽しめましたのでご紹介したいと思います。
目次
ネタバレなしでご紹介
まずは、未読の方にネタバレなしで紹介に挑戦してみます。
東野圭吾さんの小説は殺人だったり人生の逃避行だったり入れ替わりだったり密室だったり、ガリレオだったり、大体が「あッ!」と驚く真実だったりトリックだったり展開だったりがあってとても楽しめますよね。
この小説も同様に夢中になって読み進めたくなる展開が用意されています。文庫裏に紹介されている事はシンプルにすると下記です。
- 悪事を働いた3人が古い民家に逃げ込む
- 古い民家は昔雑貨店を営んでおり過去に”悩み相談”するお店として話題になった
- 今は誰もいないが3人が居る時に悩み相談の手紙が過去から投稿された
- 戸惑いながらも3人は返事を書くが…
東野圭吾さんの小説は結構実際に再現できるような設定が多いですが、この小説はファンタジーです。読み進めて後半に進むとバラバラだったパズルのピースが一気に埋まっていく感覚がとても気持ち良いです。また作り話だと分かっているのに涙が出そうになったエピソードなどもあり、本を読むのが苦手な自分でも先が気になりあっという間に読んでしまえます(…と言っても1週間くらいかかったけど)。
ちなみに映画化されており映画はまだ観ていないので判断すべきではないかもしれませんが、本で読んだ方が感動できるのではないかなと思います。
本で読むと、頭の中で色々な登場人物のある程度のキャラクターなどが想像(構成)されると思います。当然自分で想像しているのでキャスティングはバッチリです。
そしてそのキャラクターが時に幸せに、時に不幸や災難、絶望したりしてストーリーが進行しますが、当たり前ですが違和感なしです。そしてキャラクターは芸能人ではないので一般人です。
でも映画にしてしまうとどうしても各キャラクターに俳優の先入感がプラスされてしまうと思います。それはそれで意味がなくはないとは思いますが、個人的にこの本は映画化する意味はあまりないと思いました。とは言え評価は悪くないようですので映画の方が良い方はそれでも構わないと思います。
ここからはネタバレで感想を書きたいと思いますので未読の方はご遠慮ください。
ネタバレありで感想
この小説の面白かった点は下記です。
- 悩みごと相談の手紙がタイムトラベルするので現在と過去に話が行ったり来たりするのがゲームで言う”ザッピング”みたいで面白い。返事を最初に見せておいてどうしてその内容になったかが後で分かったり。
- 最初は関連性のない相談事や相談者が、結果的に関係する人たちばっかりでエンディングに向けて物語が収束していくところがエキサイティングだった。私は文庫裏の紹介文を読んでいなかったので児童養護施設を中心に後半話が進むのがワクワクした。事前情報なしで読むのが一番小説は楽しめますね。
- ファンタジーだけど、夜逃げの話や自動車転落の話など東野圭吾らしい結末をひっくり返す話も良かった。
まだ細かい部分の時系列が把握できていないので、今後追記していきたいと思いますが、もしかしたら最後に店主の雄治と悪事を働いた3人が出会うかと期待してドキドキしていました。
話が現在と過去を行き来するのと、3人に届いた悩み事を整理しないと全体像が分かりにくいのですがとても面白い小説でしたのでオススメです。
読んでいただきありがとうございました。
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