こんにちは、ケンジアライブです。
みなさんはスタジオジブリの高畑勲監督の遺作『かぐや姫の物語』は見ましたか?好きですか?
私は全ての映画の中で1番好きです。楽しい映画は他にもありますが、見た後に一番心に残って、今も影響を与えてくれています。
~ネタばれも含まれているので見てない方は読まないでください!~
私の解釈なので間違っているかもしれません。一応製作のドキュメンタリーやいろんな方の考察などは読んだりはしています。
目次
全ての映画の中で『かぐや姫の物語』が一番好きな理由
私が救われた理由
絵本が動くような映像表現やストーリー、声優さんなど見どころは多いですが、私が衝撃を受けて感動したのはラストのかぐや姫が月に還るシーンです。
月からかぐや姫を迎えるに来るシーンの音楽は久石譲さん作曲の『天人の音楽』です。
この音楽はドキュメンタリーの中で、高畑勲監督が、
高畑「楽隊なんです、そうだ能天気なインドの映画ありましたよね?」
久石「踊るマハラジャですか」
高畑「そうそう、サンバみたいな能天気な音楽が良い」
と、そんな感性が鋭い二人の天才により生まれた名曲です。
※天人の音楽を含め映画を見る前には絶対に(youtubeやサウンドトラック等で)音楽を聴かないでください!!
久石譲さんは要望にぴったり合う曲を日本風に作曲してくれました。
この曲が、この場面に本当にぴったりと合います・・・いや本当は合うはずがないシーンなんですけどね。
最初この場面になった時は衝撃でした。能天気でこの世の音楽とは思えないほどピュアな素敵な曲調が、かぐや姫が地球と別れるシーンに正反対なのに合うのです。
この映画の中では月は『涅槃』と呼ばれ、要するに『あの世』です。
かぐや姫は月の王のシナリオ通り自ら地球を離れ月に還りたいと願ってしまいますが、地球の素晴らしさも理解しており月に還るのを拒みます。
そんなかぐや姫の言葉を無視して月の住民が羽衣をかぐや姫に着せた途端にかぐや姫は地球の記憶を無くして無表情になり月に還ります。
私がこのシーンを見て本当に感動したのは、
【『死』はたぶんこういう事なんだな】
と腑に落ちたからです。
誰しも平等に現世で何をしていようが『死』は訪れます。老衰か、事故や病気などで突然かは分かりませんが必ず・・・
そして死ぬ瞬間は(死の恐怖を麻痺させる脳内物質とかが分泌されて)能天気に、そして羽衣を着せられるように『無』になるんだなと。そう思うと死があまり怖くなくなりました。
死は恐れなくれも大丈夫、それを高畑勲監督は教えてくれたんだと。
もちろん輪廻転生もあるかもしれません。そうすればまた新しい生を生きるかもしれませんね。正解かどうかは分かりませんが、私が恐れていた死を怯えなくさせてくれた映画なので一番好きなんです。
思えばスタジオジブリの作品で高畑勲監督の作品は(宮崎駿監督に比べると)観客動員数も少なく、かぐや姫の物語も赤字額が一種のPRにもなりました。でも、私は高畑勲監督の毎回挑戦的でファンタジーではない作品も大好きです。
読んでいただいてありがとうございました。
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